アクリル塗料は30年ほど前に主流で使用されており、現在ではあまり多くは使われなくなっている塗料です。
しかしアクリル塗料のメリットを生かしてこの塗料での塗装を好む方藻いらっしゃいます。価格が一番低くグレードも一番低い塗料ですが、使用法によっては現在でも好まれています。
今回はそんなアクリル塗料の特徴を、メリット・デメリットを紹介しながら説明していきます。
もくじ
アクリル塗料とは
アクリル塗料とは、塗料の主成分がアクリル系の合成樹脂である塗料のことをいいます。
アクリル樹脂はボールペンやコップ、照明器具や看板など、わたしたちの身近にあるものに多く活用されています。
そんな私たちに身近なアクリル樹脂ですが、それを使用したアクリル塗料は、外壁や屋根の塗装にも使用されています。しかし以前まではよく使用されていたのですが、現在はウレタンやシリコンなど、低価格で品質の良いものが開発された影響でアクリル塗料の使用は少なくなってきています。
アクリル塗料のメリット
ここからはアクリル塗料のメリットとデメリットを紹介しながら、この塗料について詳しく説明していきます。それではまずこの塗料のメリットから見ていきましょう。
価格が安い
アクリル塗料での塗装は、現在の主流塗料であるシリコン塗料と比べると、約5割ほどの値段で塗装することができます。この塗料の耐用年数は4~7年ととても短いですが、とにかく費用を抑えたいという方にはおすすめです。また、何回も塗装を塗り替えたいという方にはおすすめです。
ただ、シリコン塗料も低価格で、さらに耐用年数が長いので長い目で見るとシリコン塗料の方がお得かもしれません。
参考までに塗料ごとの塗装費用相場と耐用年数をまとめましたので見ていきましょう。
塗料の種類 | 単価/㎡ | 耐用年数 |
---|---|---|
アクリル塗料 | 1000~1200円 | 4~7年 |
ウレタン塗料 | 1800~2000円 | 6~10年 |
シリコン塗料 | 2500~3500円 | 8~15年 |
フッ素塗料 | 3500~4500円 | 15~20年 |
光触媒塗料 | 5000~5500円 | 10~15年 |
以上が各塗料の費用と耐用年数になります。アクリル塗料はとても費用が安いということが分かりますね。ですが耐用年数に少し懸念があるのでそことのバランスを考えるとコストパフォーマンスが高いとは言えないのではないでしょうか。
シリコン塗料について詳しくはこちらをご覧ください!
ツヤが出てきれいな仕上がりになる
アクリル塗料は発色がとてもよく、鮮やかな色合いに外壁を塗装することができます。はっきりとした色を好む方にはおすすめです。
塗料の種類が豊富
アクリル塗料は、とても前から使用されている塗料なので種類が豊富です。これまででも非常に多くの製造をされてきているのです。
多くの種類があることで、あなたがいいと思った色や機能のついたアクリル塗料を選べることがメリットです!
1液型が多く使いやすい
アクリル塗料には1液型のものが多く、希釈や撹拌のような手間がかからないのが特徴となっています。2液型でわざわざ硬化剤を入れる必要もなく、効果不良がおこりにくいです。
DIYでの塗装も比較的簡単にできるので、素人の方にはおすすめの塗料です。
重ね塗りがしやすい
アクリル塗料は外壁への密着性が高いので、短期間での塗り替えの際に新たな塗料が密着しやすくとても便利です。
ただ、古い塗膜に剥がれや割れなどの劣化が見られる場合はその部分の補修する必要があります。もし古い塗膜の劣化部分を補修しないで新たな塗装を知ってしまうと、その部分から不具合が発生してしまうことがあります。
劣化部分は雨水の浸水やゴミの侵入の原因となりますので、必ずきれいにしてから新たな塗料を塗装しましょう。
変色しづらい
アクリル塗料は耐用年数が短いですが、塗料の変色が起こりづらいので耐用年の間はきれいな色状態で過ごすことができます。
しかし、塗膜は時間をかけて劣化していますので塗装が必要ないということではないので勘違いのないようにしましょう。あくまで変色が起こりづらいということです。
むしろアクリル塗料劣化が早いので早めのメンテナンスが必要になってきます。
アクリル塗料のデメリット
ここまではアクリル塗料のメリットを紹介してきましたが、ここからはその反対にデメリットを紹介してこの塗料の特徴に迫っていきます。
劣化が早い
先にも記しているように、耐用年数が短く劣化が早いというのがアクリル塗料最大のデメリットと言えるでしょう。耐用年数は4~7年ほどしかないので早く劣化してしまうのです。
アクリル塗料は劣化の原因となるラジカル因子が発生しやすいので、酸化還元反応が起こりやすくなってしまうので塗膜が劣化してしまいます。このため、アクリル塗料で塗った外壁はメンテナンスを頻繁におこなう必要があり、多くの手間がかかってしまいます。
価格が安いので劣化が早いのは当たり前のことなのですが、塗装回数やメンテナンス回数を減らすためならもう少し多く費用を払っていい塗料で塗装をおこないましょう。
塗り替えが面倒になることがある
アクリル塗料は劣化しやすく、塗膜がはがれやすくなっています。このため、元ある古い塗膜を剥がさずに塗装する際は扱いに手間がかかってしまいます。密着性が高いので剥がすのであれば時間がかかりますし、もしキレイに取り除いていないと、新しく塗った塗料が早く剥がれてしまう原因となってしまいます。
ただ、塗膜の剥がしや洗浄、下地処理は面倒になりますが、これらの作業をしっかりおこなうことで、新規塗膜がすぐに剥がれてしまうことは回避できますよ!
塗膜が固くヒビができやすい
アクリル塗料は弾性に優れていないので、塗膜が固くなってしまいます。塗膜が固いゆえ、建物の動きや地震などで簡単にひびが入ってしまうことがあります。
自宅が高速道路の近くという場合や、地震や自然災害の多い地域である場合はアクリル塗料の使用はやめた方が良いかもしれません。もし揺れや自然災害の多い地域の場合は、弾性のあるウレタン塗料の使用をおすすめします。
ウレタン塗料はアクリル塗料に比べて、費用と耐用年数のバランスがいいですのでそちらの方が良いかと思います。
ウレタン塗料について詳しくはこちらで紹介していますので参考にしてください。
浸透性が良すぎる
アクリル塗料は浸透性がよく、湿気を外に逃がしてくれる効果があるのですが、その浸透性が強すぎるがゆえ外部の湿気を室内に入れてしまうことがあるのです。
この性質では室内に湿気が溜まってしまうので、湿気が多い地域や川池の近い地域での使用はおすすめできません。
耐候性に乏しい
アクリル塗料は耐候性に乏しいので、紫外線などの影響で劣化が激しくなってしまうことがあります。
紫外線などの影響を考えるとアクリル塗料は室内に塗装することに適しているということもできます。DIYにて家具などの塗装をすることができますよ!ただこちらも塗り替えの際は手間がかかってしまうので注意です。
アクリル塗料のメーカーと塗料の名称と費用
こからは各メーカーから出ているアクリル塗料の種類と、その単価を紹介していきます。ここでは3大メーカー塗料の塗料を紹介します。
塗料メーカー | 塗料名 | 単価/㎡ |
---|---|---|
日本ペイント | タイルラックEMA-Sベース100K | 2570~4590円 |
DANタイル水性上塗 | 1510~3550円 | |
タイルラック水性トップツヤ一番 | 1350~3190円 | |
ニッペタイルラックEMA上塗りⅡ | 1450~3630円 | |
ACトタンペイント | 2170円 | |
ニッペシリン | 1100円 | |
関西ペイント | アスカⅡ | |
アレスアクアグロス | 1400円~ | |
ACルーフペイントリッチ | ||
エスケー化研 | 水性コンポアクリル | 1350円 |
レナラック | 2450~2300円 | |
レナフンド | 3600~3850円 | |
レナエクセレント | 5200円 | |
エスケーGPペイント | 1200円 | |
バイオファイン | 1300円 |
以上が3大塗料メーカーから出ているアクリル塗料の一部紹介です。これら以外にも多くのアクリル塗料が取り扱われています。アクリル塗料は過去に主流だった塗料であるということに加え、家具の塗装にも使用できるということで現在でも取り扱いが多くなっています。
高いアクリル塗料はあまり選ばない
また気づいた方もいると思いますが、アクリル塗料の相場を1000~1200円と紹介していたのですが、上の表で紹介した金額は大きいもので5000円というものもあります。その理由として、塗料は塗装面によって価格が変化します。5200円と紹介したレナエクセレントという塗料は塗装することができる下地がとても多く、万能の塗料となっているので値段が高くなっています。
一般的な住宅の外壁は1000~1200円/㎡ほどの価格で塗装できるので安心してください。そもそもアクリル塗料を使用して塗装をおこなう目的として「費用選ぶことはないと思います。
もし塗料に高い効果や性能を求めるのであれば、光触媒や断熱塗料、フッ素と塗料がおすすめです!
こんな方にアクリル塗料はおすすめ
- 外壁塗装の工事費用をできるだけ抑えたい方
- 外壁塗装を頻繁におこなってイメージチェンジをしたい方
以上のような考えの方にアクリル塗料はおすすめです。費用をおさえることができるので、頻繁に塗装をおこなって外壁のイメージを変えたい方は嬉しいですよね。実際そのような方もいらっしゃいますよ!
アクリル塗料は費用が安いので粗悪な塗料だと思われてしまうかもしれませんが、塗料の持つ耐用年数を守れば問題なく家を保護する役割を担ってくれますよ!
アクリル塗料は耐用年数を守ればいい塗料!
アクリル塗料は価格が安い代わりと言ってはなんですが、劣化のスピードが早く耐用年数がほかの塗料と比べて短くなっています。ただそれは粗悪な塗料と言うことではなく、しっかり外壁をコーティングして保護する力を持っていますので安心してください。
それゆえアクリル塗料は耐用年数さえ守れば、外壁をしっかり守ることができます。加えて外観のイメージチェンジができるのでおすすめですよ!