今回は遮熱塗料の特徴やメリット・デメリットを紹介していきます。塗料選びで悩んでいる方はぜひ知識を付けて塗料選びの参考情報にしてください!
もくじ
遮熱塗料とは
遮熱塗料は、太陽光を反射し太陽によって外壁や屋根が熱せられることを防いでくれます。夏場になると外壁や屋根の表面温度は約80度になることもあるのです。遮熱塗料はこのように外壁や屋根の表面温度の上昇を防ぐことができるので、夏に涼しい室内環境を作り出すことができるのです。
またこの効果のおかげで、冷房の使用量が減ることにより省エネ効果をもたらすことも期待できます。
近年では塗料自体の知名度が上がってきており、ここ数年で売り上げが5倍以上になっています。
そんな遮熱塗料ですが、特殊な起草をもっているので事前に塗料についての知識を知っておく必要があります。それではまず遮熱塗料のメリットを見ていきましょう。
遮熱塗料のメリット
多くの効果が期待できる遮熱塗料の効果をまとめたので紹介していきます。遮熱塗料での塗装を考えている方や気になっている方はぜひ参考にしてください。
遮熱効果がある
この塗料の最大のメリットは、やはり遮熱効果があることです。文字通り、熱を遮断する効果があり外壁や屋根に熱を溜めない効果を発揮します。
暑さの厳しい夏は太陽の影響で室内温度が上昇してしまうことを防ぎます。その効果によって2~3度の温度差を実現することができます。温度の2・3度は体感する暑さが大きく違ってきますのでこの効果は素晴らしいものということができます。
節電効果がある
遮熱効果によって室内温度が下がるので、エアコンや扇風機の使用回数を減らすことができます。その結果光熱費の節約をすることができます。近年では電力不足と言われていますので、遮熱効果による電力消費量の削減は環境にも優しいといえます。
実際に遮熱によって光熱費の節約になるのであれば、家庭にとってもうれしいですよね。このような遮熱効果のもたらすメリットについても魅力を感じる方はぜひ遮熱塗料での塗装を検討してみてください。
また遮熱塗料のもたらす効果として、CO2の増加に歯止めをかけることができます。この効果によって省エネ住宅として認められることがあり補助金を受け取ることもあります。ぜひ地域自治体に相談、聞いてみましょう。
耐用年数が長い
遮熱塗料の多くは耐用年数が15~20年と長くなっています。塗装にかかる費用は高いのですが、その分長い耐用年数にすることができます。現在普及している塗料の多くは10~15年という寿命ですので、それに比べると1.5~2倍の耐用年数を実現することができています。
また耐用年数が長くなると外壁や屋根へのメンテナンス回数も少なくなりますのでおすすめです。
さらに30年スパンで考えると一般的な塗料はメンテナンス(塗り替え)3回必要になりますが、遮熱塗料は2回で済みます。このように長い目で見ると費用・手間の削減になることもあります。
塗料の種類 | 耐用年数 |
---|---|
アクリル塗料 | 4~7年 |
ウレタン塗料 | 6~10年 |
シリコン塗料 | 8~15年 |
フッ素塗料 | 15~20年 |
遮熱塗料 | 15~20年 |
光触媒塗料 | 10~15年 |
屋根や外壁にやさしい
塗装面の温度上昇を防ぐことがでるので、熱による外壁や屋根への影響を抑えることができます。それゆえ外壁・屋根の劣化を食い止めることができ、素材自体の寿命を本来通り保つことができます。
特に金属製の外壁に塗装すると、温度差による金属の熱膨張を防ぐことができます。これにより金属版の変形を防げるので、塗膜の割れやヒビも発生しづらくなります。
黒色素材の温度上昇を抑えることができる
みなさんご存知の通り、黒色のものは熱を吸収しやすくなっていますよね。外壁も同じで黒っぽいカラーのものは熱もりやすく温度が高くなってしまう傾向にあります。
このような外壁材・屋根材にも効果を発揮しますので建物自体の温度上昇、室内温度の上昇を防ぐことができます。
遮熱塗料のデメリット
ここまで遮熱塗料のメリットを紹介してきました。ここからはその反対にデメリットを紹介していきます。
塗料選びではそのメリットだけで判断してしまうと、工事後に後悔してしまうことがあります。それを避けるために遮熱塗料のデメリットも確認していきましょう。
価格が高い
遮熱塗料はほかの塗料と比べて費用が高くなっています。その理由としてはまだ需要と供給のバランスが取れていないことが考えられます。
現在一番普及しているシリコン塗料は2500~3000円/㎡となっていますが、遮熱塗料は4000~5000円/㎡程度の費用がかかります。約2倍ほどの費用がかかってしまうので事前に把握しておきましょう。
ただ遮熱塗料と言っても各塗料メーカーが出している塗料によって金額が少しづつ違うので調べてみてはいかがでしょうか。
塗料の種類 | 単価/㎡ |
---|---|
アクリル塗料 | 1000~1200 |
ウレタン塗料 | 1800~2000円 |
シリコン塗料 | 2500~3500円 |
フッ素塗料 | 3500~4500円 |
遮熱塗料 | 4000~5000円 |
光触媒塗料 | 5000~5500円 |
塗膜が汚れると効果が半減
遮熱塗料は塗膜面がきれいなほど効果を発揮しますので、塗膜の表面が汚れていると反射しづらくなってしまい遮熱効果が低下してしまいます。
こうなると紫外線を吸収しやすくなってしまうので、遮熱塗料としての効果を発揮しにくくなってしまうのです。それゆえ遮熱塗料は親水性の高いものがおすすめとなっています。
親水性の高い塗料であれば、定期艇に洗浄をおこなうことで効果を維持することができます。
扱いにくい塗料である
遮熱塗料は扱いにくいと施工をおこなう職人さんの間では有名です。小さな塗装ミスでもすぐにムラになってしまうので、万全な塗装を施すのが難しくなっています。
このことから遮熱塗料の採用を諦めてしまう方もいらっしゃいます。しかし、その問題は遮熱塗料の塗装経験がある業者に依頼すれば解決することができます。遮熱塗料を採用したい方は業者選びをより一層慎重におこないましょう。
冬場は温度を落としてしまうことがある
遮熱は太陽の光を反射させる効果があるので、決して太陽の熱を屋根や外壁に蓄えているわけではありません。それゆえ冬になるでも太陽の光を反射してしまうので、建物自体そして室内を冷やしてしまうことがあります。
この特徴から遮熱塗料は夏が厚い地域にはおすすめですが、冬が長く厳しい地域にはあまり適していないということが言えます。
色によって効果がまちまち
遮熱塗料は熱・光を反射させることによって効果を発揮しますので、塗料の色によって効果に差が出てしまいます。一般的に光を反射させるといわれている白系の塗料は遮熱効果が高いです。反対に、グレーや茶色、黒の塗料は熱反射が低くなり白系の塗料より効果が劣ってしまうことがあります。
ただ、今までの塗装が白系のカラーであった場合遮熱効果をおおいに感じることができなくなってしまうかもしれません。反対に今まで黒系の塗料であった場合は遮熱効果を多いに感じることができるでしょう。
これまでで室内温度の高さに悩んでいた方にとって遮熱塗料は向いているかもしれません。
遮熱塗料はこのようなお宅におすすめ
ここからは遮熱塗料の使用に向いている家の環境を紹介していきますので、当てはまる方はこの塗料の使用を検討してみてはいかがでしょうか。
金属屋根や板金外壁の家
金属屋根や板金外壁の家は熱伝導率が高いので、太陽の熱を屋根・外壁に浸透させやすくなってしまいます。建物に直接熱を伝えてしまうのが難点となっています。
遮熱塗料を塗装すると太陽の光を反射してくれるので、建物の温度上昇を防ぐことができます。またその結果省エネにも繋がりますのでより期待をもつことができます。住宅をはじめ、熱持ってしまいがちな工場やプレハブの建物など板金を多く使用している建物への使用がおすすめです。
吹き抜けがある家
吹き抜けのある家は屋根からの熱が伝わりやすく、室内温度が高くなってしまうことが多いです。それを防ぐために、屋根に遮熱塗料を塗装することで吹き抜けによる暑さを軽減することができるので涼しい建物環境を作ることができます。
現在吹き抜けによる室内環境野悪化に悩んでいる方は、遮熱塗料の塗装を検討してみてはいかがでしょうか。
2階にリビングがある家
建物は高い位置にあるほど温度が上がりやすくなってしまい、室内が暑くなってしまいます。このことから、2階にリビングのある家は、長い時間を過ごすリビングの温度が高くなりがちなのです。
そのように息苦しい、暑苦しい環境は屋根や外壁に遮熱塗料を塗装することによって改善することができます。
外壁・屋根の塗装は一般的に10年おきにおこなうのがいいとされていますので、ちょうど塗装時期に差し掛かっている方は室内環境の改善に取り組んでみてはいかがでしょうか。
またこのことは階層が高い家にも言えることなので、3階・4回建ての住宅への遮熱塗料の塗装も室内環境の改善に向いています。
濃い色合いの外壁や屋根の家
先にも紹介したように、屋根の色が黒い・濃い色の屋根は熱を吸収してしまいやすいので、そのような家屋根への塗装にも効果が見込めます。
いままで暑くて不快な室内を、涼しく過ごしやすい場所に変えることができますよ!
光熱費の節約したい家
遮熱塗料は明らかな遮熱効果を発揮しますので、省エネ・費用対策をしたいという方におすすめです。
とくに家族多い方や、自宅にいることが多い方は光熱費に悩むことが多いと思うのでぜひ遮熱塗料の塗装を考えてみてください。
腕のいい業者に塗装の依頼をしよう
遮熱塗料は扱いにくいということで、塗装が難しい塗料となっています。そのため経験の浅い業者や遮熱塗料の扱い経験がない業者に工事依頼をするのは少し危険です。
塗装工事を成功させるには、塗装経験豊富で遮熱塗料の扱い経験が多い業者に依頼しましょう。そのためには業者選びに慎重になることが大切です。
できるだけ多くの業者を候補に挙げて工事依頼をするところを決定しましょう。最低でも3社は検討しましょう!