トタン屋根は経年劣化によってサビやコケが発生してしまうことがあります。その場合は、塗装工事によってメンテナンスを加えないと劣化が進行してしまいます。
劣化を放置してしまうと、屋根の葺き替えや重ね葺きが必要になってしまうので工事費用がかさんでしまします。
そうなる前にトタン屋根のメンテナンスをしましょう!
今回はトタン屋根の塗装方法・費用・注意点についてまとめていますので参考にしてください。
トタン屋根の塗装方法
トタン屋根の塗装では、どのような工程が必要になるのか見ていきましょう。
紹介する工程をきちんと踏まない業者は、悪徳業者の可能性があるので注意です。見積の段階で作業工程を聞くなどして悪徳業者に引っかからないように対策を取りましょう。
1:ケレン
ケレンという作業は、劣化した塗膜をきれいに取り除いたり、サビている部分を取り除く作業になります。劣化した塗膜が残っていたり、サビを残したまま塗装すると、新しく塗った塗料がきれいに密着しないので大切な工程になります。
トタン屋根の場合は素材が鉄板なので、高圧洗浄では汚れがきれいに落ち切らない場合があります。そのため、トタン屋根の塗装工程の1つ目としてけれんが必要になります。
ケレンについて詳しくはこちらをご覧ください!
2:高圧洗浄
ケレン作業にてサビや旧塗膜を取り除いたら、細かい汚れを落とすために高圧洗浄をおこないます。塗膜の剥がれた小さなカスでも、きれいにとり除かないと塗装の完成度に関わります。
ケレンでは大きなごみを取り除きましたが、高圧洗浄では細かい汚れを取り除くというイメージです。
高圧洗浄機にてトタン屋根を洗浄したら、しっかり乾かし次の工程に移ります。
3:下地処理
高圧洗浄での水気がきれいに飛んで、屋根がしっかり乾いたら、浮いている釘を打ちなおしたり、ひび割れ補修をして塗装に備えます。
塗装後にひび割れを補修したり、釘の打ち直しをすると、せっかくとす下塗膜が割れたり剥がれたりしてしまうので、塗装前に下地処理をおこないます。
この作業も塗装の完成度に関わる作業工程になりますので、業者の方にしっかりおこなってもらいましょう。
屋根に登るのは難しいと思いますが、前もって劣化部分がわかっている場合は、先に伝えておいていいでしょう。
4:下塗り(さび止め)
トタン屋根の下塗り工程は、主にサビ止め塗料の塗布となります。さび止め塗料には以下のような種類があります。
- 一般サビ止め塗料
- シアナミド鉛サビ止め塗料
- 1液エポキシ樹脂錆止め塗料
- 2液エポキシ樹脂錆止め塗料
サビは発生してしまうと広がっていき屋根を痛めてしまうので、サビ止め塗料は一番効果の高い2液エポキシ樹脂錆止め塗料がおすすめです。
5:中塗り・上塗り
サビ止めの塗料は、塗装面に密着する力やサビの抑制力効果に優れていますが、紫外線に弱いので吹きっさらしにしておくとすぐに劣化してしまいます。
なので、下塗りに対する保護のために中塗り・上塗り塗料を塗っていく必要があります。それぞれ1回ずつ、計2回塗装していくことで最大の効果を発揮することができます。
またが外壁塗装用の塗料は溶剤系(油性)から水性塗料への移行が進んでしますが、鉄部分への塗装に水性塗料は適していません。トタン屋根は鉄板ですので、油性塗料での塗装をおすすめします。
トタン屋根塗装時の注意点
トタン屋根の塗装時の注意点を紹介していきます。
足場を設置しない業者に注意!
トタン屋根の塗装には必ず足場が必要になります。職人さんの安全のため、塗装完成度のために必ず必要です。
しかし、塗装業者の中には「足場をかけずに作業できるので塗装費用が安くなりますよ!」と安さを売り出してくる業者がいます。工事費用が安くなるのはいうれしいことですが、足場は工事のために必ずいるものです。
足場はいらない・足場代を無料にするといっている業者は、ほかの作業工程に料金を加算して自分たちだけ儲かろうとしています。そんな人たちに工事をお願いしないようにしましょう。
ケレンが塗装の完成度を左右する
トタン屋根塗装の第1工程として紹介したケレンですが、この作業者本当に塗装の質・完成度に関わってきます。それゆえ、ケレンを念入りに行ってくれる業者を探しましょう。
先にも言いましたが、高圧洗浄だけではさびを取ることや旧塗膜をきれいに落とすことができません。
早期に塗装が剥がれてしまわないためにも、ケレン作業は重要なものだと考えましょう。
下塗りにはさび止めが必要
外壁塗装では、下塗り剤として外壁と塗料の密着性が高まる効果がある塗料を塗るのですが、トタン屋根の塗装ではサビ止め効果のある下塗り剤が必要になります。
トタン屋根は鉄なので、雨に弱く、ほかの屋根材に比べてサビるのが早いです。それゆえ、下塗りの段階でさび対策をするのが大切なのです。
また、屋根は紫外線の影響をもろに受けるので、建物の中で最も劣化の早い部分です。少しでも屋根の寿命を延ばすために、耐久性の高い塗料を選びましょう。
トタン屋根の塗装にかかる費用
トタン屋根の塗装にかかる費用は、屋根の痛み具合、劣化具合、塗装面積によって金額に差が出てしまうのですが、
30万円~60万円
ほどとなっています。
この金額は、一般的な住宅のトタン屋根を塗装した際のものになります。だいたい10~30坪の住宅とお考え下さい。金額に大きな差がありますが、金額が安い場合は劣化がそんなに激しくない、金額が大きい場合は劣化が激しいと考えればわかりやすいかもしれません。
30~60万円という金額よりも安い場合は、悪徳業者の可能性があるので注意しましょう。
重ね葺き・葺き替えの費用
トタン屋根の重ね葺きの場合は60~130万円、葺き替えの場合は80~160万円が目安となります。屋根の面積や選択する屋根材によっても費用が異なります。
トタン屋根の塗装タイミング
トタン屋根の劣化には段階があり、初期の劣化であれば塗装にて補修することができます。進行の激しい場合は塗装での補修が出いなくなってしまうので、葺き替えや重ね葺きが必要になってしまいます。
葺き替えや重ね葺きは工事に大きなお金がかかってしまいますので、塗装で補修できるうちにメンテナンスをおこないましょう。
塗装時期を示す劣化症状は6つ
- サビが発生してしまっている
- 屋根の変色が始まっている
- 塗装が剥げてしまっている
- カビやコケが発生している
- 釘が浮いてしまっている
- 屋根のつなぎ目が外れてしまっている
また、以下の症状がみられる場合は、重ね葺きや葺き替え工事が必要になります。
- トタン屋根に穴が開いている
- 雨漏りが発生している
重ね葺きとは、既存の屋根材を残し、上から屋根材を被る工法です。また、葺き替えは、古い屋根をすべて取り去り、新しく屋根材をかぶせる工法になります。
劣化状況が激しく、下地までダメージがある場合は重ね葺きで対応することができません。葺き替えで下地ごと撤去し新に張り替える必要があります。
トタン屋根の塗装は5~10年に一度がおすすめ
一般的にトタン屋根の塗装周期は5~10年がいいとされています。トタン屋根を長持ちさせるために、サビが進行しないうちに補修工事をしましょう。そのため、定期的に屋根の状態を確認しましょう。塗装業者に依頼すれば屋根の状態を確認してもらえます。
屋根の状態を確認するには屋根に上ることが一番です。しかし素人が屋根に上ると大変危険ですのでやめましょう。どうしても自分でチェックしたいときは、地面やベランダから見える範囲で確認しましょう。双眼鏡を使うと屋根のへりの状態を確認できます。劣化が屋根に見られれば塗装を検討しましょう。
悪徳業者に引っかからないために!
トタン屋根塗装の際は悪徳業者に気をつけましょう。塗装費用を上乗せ手請求してきたり、料金は普通だけどまともな工事をしてくれないというのが悪徳業者と呼ばれています。
そんな悪徳業者の手口を紹介していくので参考にしてください。
ケレンを省く業者に注意
ケレンは何度も言っているように、塗装の完成度に関わるのでとても重要です。サビ部分や旧塗膜をきれいに剥がす作業となりますので、手間と時間がかかってしまうのが特徴です。
それゆえ、ケレンをきちんとおこなわずに塗装に移ってしまう業者がいるのです。業者はケレンに時間を使わないことで経費を浮かすことができますよね。経費を浮かしているのに料金は相場通り請求します。
このように、汚い手を使う業者にあたらないように塗装業者選びには細心の注意を払いましょう。
経験のない業者に注意
塗装業者の技術の高さや経験によって完成度や耐久度も変わってきます。経験豊かで技術力のある職人による塗装は、キレイで長持ちします。しかし、熟練の職人さんを雇って工事をすると人件費がかかってしまうので、業者に入る利益が少なくなってしまうということが言えます。
そこで、業者は経験の浅い職人や、アルバイトを雇って安い人件費で工事をする場合があるのです。人件費を安く済ませることで業者は儲かりますからね。
しかし、それは工事依頼者のことを第一に考えているとは言えません。そのような業者は信用できませんので、ほかの業者を探しましょう。見積の段階で職人さんの経験について聞いておいてもいいかもしれません。
足場を組まない業者は論外
先にも紹介しましたが、足場を組まない業者は絶対に信用してはいけません。足場は塗装の完成度や職人さんの安全に関わることですので必ず必要です。
塗装工事において足場を設置しないというのは無駄な試みですので、基本的なことをしっかり行える業者に工事の依頼をしましょう。
万全の知識をもって塗装工事に臨もう
紹介してきたように、トタン屋根の塗装には注意点がいくつかあります。塗装の検討段階で、塗装工事についての知識をつけておきましょう。
自分の手で塗装するわけではないですが、工事に参加するつもりで塗装工事に臨みましょう。基本的な知識を身に着けておけば、悪徳業者に気づくことができます。
「失敗した…」という塗装工事にならないように、万全の状態で工事に入れるようにしましょう!